群馬県は、関東有数の小麦生産県として知られています。その中心となる品種が「農林61号」。これは、群馬県を含む関東地方で古くから栽培されている国産の中力小麦で、製麺用として高い評価を受けてきました。
群馬の小麦は、やや粘りのある中力粉が特徴で、もちもちとした食感を生むことから、「上州うどん」「焼きまんじゅう」「まんじゅう皮」などの郷土食に多く使われてきました。地域の食文化と深く結びついており、まさに「粉もの文化の主役」といえる存在です。
小麦の生産は、前橋市、伊勢崎市、太田市など県南部の平野地帯を中心に行われており、乾燥した気候と水はけのよい土壌が栽培に適しています。近年では、無農薬や減農薬での栽培に取り組む生産者も増えており、安全・安心な国産小麦としての価値も高まっています。
また、県内では「地粉(じごな)」として地元消費を意識した販売も行われており、地産地消のモデルケースとしても注目されています。製粉された粉は製麺所やベーカリー、和菓子店などへ供給され、地域経済の循環にも貢献しています。
群馬の小麦は、単なる農産物ではなく、文化・伝統・人々の暮らしをつなぐ“食の柱”として、今も進化を続けています。



